Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
サマースーツの定番服地となるウールトロについて、ニューヨーカーのチーフデザイナーの声と共にその特徴を予習。今シーズンのス...
HELLO! FROM NEW YORK
毎年5月から開催されるメトロポリタン美術館のコスチュームインスティテュート展。いつもその企画はファッション業界の話題の的になりますが、今年のテーマは「PUNK: Chaos to Couture」です。
1970年代、ニューヨークやロンドンの音楽シーンと結びついて生まれたパンクファッション。ロックスターの若々しく、そして痛々しいともいえるその叫びを体現するかのようなファッションとそのスタイルは、アンダーグラウンドでありながら、今もなお新鮮にファッションデザイナーたちをインスパイアしつづけています。また、最近ではスタッズがついたジャケットやバッグを見かけない日が無いほど、パンクファッションは一般化しているともいえます。
そもそもTシャツを引き裂いたり、スタッズや安全ピンでジャケットをカスタマイズしたり、DIY (Do it Yourself)の精神は、実は現代のオートクチュールのクリエイティブコンセプトにも通じるのではないか? といった考察がこの展覧会のコンセプトです。
展示会場にはセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスやブロンディの映像も流れ、パンクの女王ともいわれるヴィヴィアン・ウェストウッドはもちろん、ヴェルサーチやコム・デ・ギャルソン、ロダルテといったブランドの最近のコレクションまでも展示されています。またNYのイーストヴィレッジにあった伝説のライブハウスCBGBのトイレや、ロンドンのキングスロードにあったヴィヴィアン・ウェストウッドのショップなども再現されていました。
オープニングにあたってはビヨンセや女優のルーニー・マラなどがホストになった盛大なパーティも開催されました。ドレスコードはもちろん”パンク”。マドンナやサラ・ジェシカ・パーカーなどそうそうたるセレブリティたちが、さまざまに工夫をこらしたパーティファッションを記念イベントで披露し、展覧会の開催を盛りあげていました。
PUNK: Chaos to Couture (8月14日まで)
The Metropolitan Museum of Art
1000 Fifth Avenue (at 82nd Street) New York, NY 10028
Phone: 212-535-7710
http://metmuseum.org/
Photos © The Metropolitan Museum of Art
NAVIGATOR
市川暁子
フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を雑誌や新聞に寄稿。NYコレクションの取材は10年以上続けており、CFDA(アメリカファッション協議会)ファッション大賞のデザイナーもノミネートしている。ほか、並行してブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材も継続中。2007年には『NYのおみやげ』(ギャップジャパン)を、2013年にはブラジル人イラストレーター、フィリペ・ジャルジンの作品集『スケッチ&スナップ』(六燿社)を編集、出版した。www.originalslope.com
グリーンマーケットで探す、ローカルフードとNYみやげ。
NYのおすすめカフェ 個人的ベスト3!