Vol.51 トラッドな春夏スーツ服地の知識を蓄えれば仕事も快適にこなせる。
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HELLO! FROM NEW YORK
こんな爽やかな季節は、週末フリーマーケットに出かけてみるのはいかがでしょうか。私が最もおすすめしたいのは「ブルックリン・フリー」。ここは2008年からスタートした、比較的新しいフリマです。昔はマンハッタンにもいろいろなフリマがありましたが、家賃高騰の波に押され、フリマができるような空き地もなくなり、とうとうブルックリンへ押し出されてしまった、そんな感じもします。
場所は時季や曜日によって異なるのですが、旅行者の方々でも行きやすいのは毎週日曜日に開催されているウィリアムズバーグのフリーマーケットです。ロケーションはイーストリバー沿いの公園。川向こうにエンパイアステートビルなどマンハッタンの摩天楼が眺められ、とてもフォトジェニックです。
川沿いには選りすぐられた約250のベンダーが並び、ヴィンテージやアンティークの洋服やバッグはもちろん、家具や食器、古本やカメラ、そして中にはこれは何に使うものだろう……? というガラクタのようなものまでが売られています。
私は海外を旅行するときはだいたいどこの国へ行ってもフリマを見て回るのが好きなのですが、その理由は売られている古いものたちにはその土地のキャラクターや文化、歴史が滲み出ているように思えるからです。例えばNYのフリマで60年代に作られたMade in Japanの食器などを見かけることもありますが、それは当時の2国間の関係もうかがえるし、またそのデザインやクオリティの高さに日本の素晴らしさを感じたりもします。
そして古着に触れることはファッションを知ることでもあります。というのも、多くのデザイナーは毎シーズン、50年代風だとか80年代調とか、当時のスタイルをブラッシュアップさせて、新しいコレクションのヒントにしています。そのオリジナルともいえるヴィンテージの服を買って着てみることは、ファッションの歴史を体験する行為だと思いませんか?
最近はオンラインでもヴィンテージものは買えますが、やっぱりフリマの醍醐味は店主とおしゃべりしながら、ものにまつわるストーリーを聞いたり、値切ったりすることです。私の経験からいえば、ディスカウントは、あまり遠慮せず聞いてみたほうがいいです。ナイスにお願いしたらほとんどの場合、少しはまけてくれますから(笑)。
また、このブルックリン・フリーには地元でも人気のドーナッツショップやグルメなホットドックなどフード関係のベンダーも充実しているのが大きな特徴です。晴れた日曜日はブランチがてら、フリマに出かけるのも楽しい休日の過ごし方です。
Brooklyn Flea
Williamsburg Flea (毎週日曜日10:00~17:00、4月〜11月)
East River State Park ( at N.7th St.), Broolyn NY
Fort Greene Flea (毎週土曜日10:00~17:00、4月〜11月)
176 Lafayette Ave. (btw. Clermont + Vanderbilt Ave.) ,
Brooklyn NY
冬期は場所が変更になります。詳細はウェブサイトでご確認ください。
http://www.brooklynflea.com
NAVIGATOR
市川暁子
フリーランスのジャーナリストとしてNYのファッションやカルチャー、ライフスタイルに関する記事を日本の雑誌、新聞に寄稿。 最近は、NYコレクションの他、ブラジルのサンパウロおよびリオのファッションウィーク取材を毎シーズン続けている。07年には初の単行本『NYのおみやげ』を出版。
www.originalslope.com
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